クリエイターのお金管理|領収書や請求書はどう管理する?

「お金の管理って難しい…」

「領収書や請求書はどう保管すべきなの?」

お金の管理や請求書などの保管方法について悩んでいませんか?

クリエイターなどの個人事業主は、納品期日に追われ、領収書や請求書の処理が後回しになってしまいがちです。しかし、領収書と請求書には保管義務がありますし、事業を継続していく上でも非常に重要な書類です。

そこでこの記事では、事業をスムーズに回していくため、お金の流れを把握するために、領収書と請求書の効率的な保管方法をまとめました。ぜひ最後までご覧になってください。

【領収書の管理方法】紙のまま保管する場合

領収書を紙のまま保管する場合、次の3つの方法があります。

  • ノートに貼り付ける
  • ファイリングする
  • 封筒など袋に入れる

それぞれにメリットがありますので、ご自身に合うやり方を確認してみてください。

ノートに貼り付ける

ノートに貼り付けて領収書を保管すると、ページを開きさえすれば、すぐに確認が取れます。付箋やインデックスを貼るのも自由ですから、自分の見やすい方法で管理できます。

ノートで領収書を保管する手順は、以下のとおりです。

  1. 領収書を保管するための専用ノートを用意する
  2. 日付順や勘定科目ごとに貼り付けていく
  3. 必要であれば、用途などをノートの余白部分に書き留めておく

領収書を貼り付けるさいは、テープではなく、のりを使うのがおすすめです。領収書は5~7年の保管義務がありますが、テープは経年劣化してしまうため、はがれ落ちてしまう可能性があります。

ノートの余白部分には、メモしたいことを書き留めておけます。

ファイリングする

領収書の数が多い場合は、アコーディオンタイプのファイルを使って保管するのがおすすめです。探しやすいので領収書が増えても管理がしやすいです。

領収書をファイリングする際の手順は、以下のとおりです。

  1. A4のコピー用紙に、領収書を貼る
  2. ファイルの適切な場所に入れる

領収書をコピー用紙に貼るさいは、規則性を持たせることが大切です。例えば、1枚のコピー用紙に対して消耗品費の領収書だけを貼る、通信費の領収書だけを貼る、など。

月が変わったら、まだ余白があってもコピー用紙を新しくし、先月分と今月分が混ざらないようにします。アコーディオンファイルのインデックスは月ごとにし、コピー用紙を該当する月へファイリングしていきます。

この方法はあくまでも例ですので、どんな規則性を持たせると管理しやすいか、実践しながら工夫していくといいでしょう。

封筒など袋に入れる

紙の領収書をもらう機会が少ない場合は、封筒に入れて保管しておくという方法もあります。月ごとや項目ごとに分けておけば、帳簿付けがしやすいです。

例えば、

  • 6月分会議費
  • 6月分 消耗品費
  • 6月分 会議費
  • 6月分 接待交際費

などとまとめ、6月分一式ひとくくりにして保管。というようなイメージです。

この方法は、あまり経理に時間をかけたくない方にはオススメですし、特にまだ小規模な事業者はこの方法で十分という考え方もあります。

しかし、一覧で見たい場合や、後から手間をかけず探したい場合には、むかない方法です。

領収書を管理するさいの注意点

領収書を管理するさいの注意点は、以下の3つです。

  • レシートの文字消えに注意する
  • 目的が分かりにくい経費はメモを書いておく
  • 経費とプライベートでの出費を混同しないように対策する

それぞれ、詳しく解説します。

レシートの文字消えに注意する

レシートは感熱紙に印字されることがほとんどです。注意したいのが、感熱紙の文字は時間がたつと消えてしまうこと。紙で保管する場合はコピーを取り、一緒に保管しておきましょう。

目的が分かりにくい経費はメモを書いておく

飲食代や出張費などは、どんな目的で使ったのかが分かりにくい経費です。そのために、税務調査が入った場合、指摘されやすい経費でもあります。

そこで、飲食代や出張費のような用途が分かりにくい経費は、必ずメモをとるようにしましょう。

出張であれば、行った目的、訪問先、利用した公共交通機関(駅名)などを書き留めておくようにします。

経費とプライベートでの出費を混同しないように対策する

買い物に行ったとき、事業で必要なものとプライベートで使うものを一緒に購入したことはありませんか?クリエイターなどの個人事業主は、自宅を仕事場としている人も多く、仕事とプライベートの境目があいまいになりやすいです。その結果、事業の経費とプライベートの経費が混ざりやすくなってしまいます。

対策として、レシートや領収書をもらったらすぐに、事業用とプライベート用を分けて保管するようにしましょう。そのために、一時的な保管場所を設けておけば仕訳までの流れがスムーズになります。プライベート用のレシートが不要であれば、すぐに廃棄してしまうのも1つの手です。

事業用とプライベート用の購入品が1枚のレシートに混在している場合は、事業用の品目に印をつけておき、経費だとひと目で分かるようにしておきましょう。

【領収書の管理方法】電子化して保管する場合

紙の領収書は、電子化して保管することも認められています。

領収書を電子化して保管するメリットについて確認していきましょう。

 領収書を電子化して保管するメリット

紙の領収書のままで保管する場合と比べ、電子化して保管すると以下のようなメリットがあります。

  • 時間がたつと文字が消えてしまうレシートを鮮明に残せる
  • データを紛失しても、バックアップをとっておけば簡単に復旧できる
  • 場所をとらない

以前は規定のスキャナーを使った保存しか認められていませんでしたが、法律の改正があり、スマホやデジカメの画像も認められるようになりました。より便利になったと言えますね。

電子データで受け取った領収書の保存方法

領収書は紙だけでなく、メールに添付されていたり、ダウンロードをしたりと、電子データで受け取ることが増えました。クリエイターの方は、特にそのような機会が多いことでしょう。このような場合、コピー用紙にプリントアウトしてから保管していませんか?

しかし、2024年1月1日以降は、電子データで受け取った領収書は電子データのまま保管することが義務付けられました。

インターネットを介して受領した領収書などは、紙に印刷して保管しておくことは基本は認められなくなりますので、注意してください。

請求書の管理方法

請求書の管理は事業を行っていく上で、とても大切な部分です。

請求書の管理ができておらず支払いが遅れれば、取引先からの信用を失ってしまいます。また、請求したものが未入金であることに気づかず、売上が回収できないままだと、事業の存続に関わってしまいます。

クリエイターの方ですと、請求書の管理や支払い、入金の確認も全てご自身でされている場合が多いことでしょう。他にチェックする方がいない分、確実な方法で管理していきましょう。

ここでは、受け取った請求書と、発行した請求書の場合に分けて管理方法を解説します。

受け取った請求書

受け取った請求書は、「未払」と「支払済み」で分けておくのが管理しやすいです。

請求書を受け取ったら、以下の流れで処理するのがおすすめです。

  1. 請求書を「未払のファイル」へ入れる
  2. 支払いが終わったら、請求書に支払い済みである印をつける
  3. 「支払済みのファイル」へ入れる

支払い済みの印と一緒に日付を入れておくと、あとで確認が必要になったときに分かりやすいです。請求書の枚数が多い場合は、月ごと、取引先ごとなどにファイルを分けるのもおすすめです。

また、請求書をデータで受け取ったさいは、面倒でも紙に印刷した方が管理がしやすくなります。

発行した請求書

発行した請求書については、「未入金」か「入金済み」かで分けるようにするのがおすすめです。

  1. 請求書を発行したら、控えを「未入金のファイル」へ入れる
  2. 入金があったら、請求書の控えに入金済である印をつける
  3. 控えを「入金済み」のファイルへ入れる

請求書の控えは、支払期日の早いものが一番上に来るようにファイルへ入れていきましょう。

請求書の保管方法

支払済の請求書の保管方法は下記の2つです。

  • 取引先ごと
  • 月ごと
    の2つがあります。それぞれつぎのメリット・デメリットがあります。

支払済請求書を取引先別に保管する場合

メリット:各取引先とのお金の流れを把握しやすい。
デメリット:請求書を定期的に分類する手間がかかる。月間でのお金の流れが把握しにくくなる場合も。

請求書の保存方法については、どちらがより正しいということはありませんので、月間の請求額を把握したいのなら月別、取引先毎の状況を把握しておきたいなら取引先別等、自分がやりやすい形で管理をすると良いでしょう。

支払済請求書を月別に保管する場合

メリット:月間の仕事やお金の流れが把握しやすい。その月に発行されたものをまとめればいいので、分類する手間が少ない。
デメリット:取引先が多い場合、特定の会社の請求書を探しだす時に時間がかかる。

請求書管理システムを使うと経理の効率化も図れる

事業の規模が大きくなり、取引しているクライアントが多い場合は、請求書管理システムを使うことも検討してみましょう。

請求書管理システムとは、請求に関連する業務を自動化し、業務の負担を減らせるシステムのことです。請求書や納品書の発行、請求書の郵送代行、入金管理などを行えます。

電子データで請求書を作成・送付することにより、コピー用紙、インク、封筒、郵送などにかかる費用を削減できるのもメリットですね。

請求書管理システムの費用は業者によってさまざまですが、「Misoca」を例に挙げると、15通以下で月額800円、100通以下で月額3,000円となっています。

領収書と請求書の保管期間について

領収書と請求書には、定められた期間、保管する義務があります。確定申告が終わっても、廃棄しないようにしましょう。

期間の考え方は、確定申告期限日の翌日を起算点とします。例えば、2023年度の確定申告期限日は2024年3月15日です。保管義務の期間が7年だとすると、2031年3月15日までは保管しなければならないということになります。

保管すべき期間は、領収書が5年または7年、請求書は5年です。

このあと、詳しく解説していきます。

領収書は5年または7年保管

領収書の保管義務の期間は、青色申告か白色申告かで変わります。

  • 青色申告:7年間
  • 白色申告:5年間

白色申告では2013年まで、事業所得が300万円以下の場合は領収書の保管義務がありませんでした。

しかし2014年に改正があり、所得に関係なく5年間の保管が義務付けられることとなりました。

請求書は5年保管

受け取った請求書を保管すべき期間は、個人事業主は、青色申告・白色申告ともに5年です。法人は、7年となります。

発行した請求書に関しては保管義務がありませんが、入金があるまで保管しておくと、未入金がないか確認しやすいでしょう。

まとめ:事業継続のために確実な請求書と領収書の管理を

クリエイターは創作に集中しなければならないので、日々の仕事に追われて領収書や請求書の管理がおざなりになってしまうことはよくあることです。

たしかにクライアントに満足していただくものを納品することはすごく大事です。しかし、事業を長く続けていくために、お金の流れをしっかりと把握しておくことも同じくらい重要なことではないでしょうか。

領収書と請求書の管理方法を見直し、事業の効率を挙げていきましょう。

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