「個人クリエイターが確定申告時に気をつけるべきことは?」
個人で活動するクリエイターにとって、確定申告は必ず行うべき手続きです。しかし、慣れない手続きであることから、何に注意したらいいかわからない人も多いかと思います。
確定申告を行う際には必要書類の準備、提出期限や控除の種類に注意しましょう。
確定申告に向けた準備をしっかりとしておけば、焦ることなく手続きを済ませることが可能です。
そこで今回は、確定申告の詳細や申告時に気をつけるべき注意点を詳しくまとめました。確定申告をスムーズに済ませる方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
確定申告(税申告)とは?
確定申告とは収入と支出を計算し、税金を正確に支払うための手続きです。給与所得や事業所得などの各種所得や利用できる控除を明記し、税務署に提出します。
確定申告が必要な人をまとめると、以下の通りです。
- 給与以外の所得がある場合
- 給与所得が2か所以上ある場合
- 所得控除額を超える医療費がある場合
副業をやっている人や2箇所以上で働いている個人事業主やクリエイターは、確定申告の対象となります。逆に、「給与所得者で所得税が源泉徴収されている」「年間総所得が20万円以下」であれば確定申告は必要ありません。
確定申告(税申告)時に気をつけるべきこと・注意点
確定申告前に気をつけるべきことをまとめると以下の通りです。
- 必要な書類は事前に揃えておく
- 青色申告と白色申告の違いに注意する
- 確定申告の期限を守る
- 確定申告で利用できる控除を理解しておく
- 申告する所得や経費は正確に伝える
- オンライン申請をする場合はセキュリティに注意する
- 確定申告後は確定申告書や源泉徴収票を大切に保管する
それぞれ詳しく解説します。
必要な書類は事前に揃えておく
確定申告をスムーズに行うために、事前に必要な書類を揃えておくことが大切です。以下に必要となる書類を一覧でまとめます。
必要書類 | 概要 |
源泉徴収票 | 給与所得者や年金受給者が受け取る、所得と源泉徴収税額を記載した書類 |
領収書・請求書 | 医療費控除や経費の証明として必要な書類 |
帳簿・経費明細 | 収入と経費を記録した帳簿や経費明細 |
不動産取得資料 | 不動産所得がある場合、取得価額や改築費用などの証明になる契約書や領収書 |
配当・利益の証明書類 | 配当所得や株式売却益がある場合、証券会社から受け取る書類 |
住宅ローンの残高証明書 | 住宅ローン控除を受ける際に必要となる金融機関から発行される残高証明書 |
扶養家族の証明書類 | 扶養家族控除を受ける際に必要な戸籍謄本や住民票などの証明書類 |
所得や控除に応じて、さまざまな書類が必要となります。特に、個人事業主として動いているクリエイターであれば、収入と経費を記録した帳簿は必須です。
そのため、普段から帳簿を記す癖をつけておくことが大切です。
青色申告と白色申告の違いに注意する
確定申告には、青色申告と白色申告といった異なる申告方法があります。それぞれのメリット・デメリットをまとめると、以下の通りです。
種類 | メリット | デメリット |
青色申告 | ・青色申告特別控除で最大65万円の控除を受けれる ・30万円未満の減価償却資産は一括経費にできる ・赤字を3年間繰越できる |
・帳簿を正確につける必要がある ・会計ソフトや税理士のサポートが必要 ・手間や費用がかかる |
白色申告 | ・簡単に確定申告が可能 | ・節税効果が薄い |
個人で動くクリエイターは、自分の事業規模や経理スキルに応じて、どちらを選択するか決める必要があります。確定申告前に両者の違いを理解し、最適な方法を選ぶことが重要です。
確定申告の期限を守る
確定申告を正しく行うためにも、期限を守ることは非常に重要です。確定申告の期限は、毎年2月16日から3月15日までとされています。
確定申告に必要な書類やデータを事前に準備しておくことで、期限内のスムーズな申告が可能です。早めに確定申告を行えば、もし手続きに問題があった場合も、期限内にすぐに修正ができます。
期限を過ぎてしまうと、過少申告加算税が課せられることもあるため注意しましょう。
確定申告で利用できる控除を理解しておく
確定申告では様々な控除が利用できます。控除を理解して適切に申告することで、所得税の負担を軽減することも可能です。
以下に、確定申告時に利用できる控除をまとめました。
- 所得控除
- 経費控除
- 住宅ローン控除
- 生命保険料控除・地震保険料控除
- 医療費控除
- 寄付金控除
- ふるさと納税控除
個人クリエイターであれば、特に所得金額に応じて変化する「所得控除」や「経費控除」を押さえておきましょう。種類によって住民税から一定額控除される制度もあるため、積極的に活用することが大切です。
申告する所得や経費は正確に伝える
確定申告では、所得や経費を正確に伝えるようにしましょう。正確に伝えることで過少申告や過剰申告を防げます。
以下に正確な申告を行うためのポイントをまとめました。
- 給与所得や事業所得などの所得金額を正確に計算する
- 事業に関連する経費を適切に計上する
- 領収書の整理と帳簿の作成・管理を徹底する
所得や経費を正確に申告することで、所得税の計算が適切に行われます。また、税務知識を持っておけば税務署とのやり取りもスムーズです。
オンライン申請をする場合はセキュリティに注意する
確定申告はオンラインでも申請できます。全ての手続きがオンラインで完結するため便利ですが、セキュリティ面での注意が必要です。
例えば、パスワードの設定や管理が不十分な場合、ハッキングにあう可能性もあります。また、オンライン申請では住所や氏名、収入情報などの機密性の高い個人情報を入力します。
中には信頼性が薄い申請用のサイトやアプリもあるため、信頼性のある確定申告ソフトを利用しましょう。
確定申告後は確定申告書や源泉徴収票を大切に保管する
確定申告が終わった後も、確定申告書や源泉徴収票などの書類を大切に保管しましょう。少なくとも5年間は税務調査の対象となることがあるため、必要に応じて提出できるようにしておくことが重要です。
万が一、書類が紛失した場合や税務署からの問い合わせがあった場合、速やかに対応しましょう。書類を電子化しバックアップを取っておけば、紙の書類がなくなった場合でも安心です。
ただし、電子化する際は個人情報保護やセキュリティ対策に注意しましょう。
個人クリエイターがスムーズに確定申告(税申告)を行う方法
確定申告をスムーズに行いたい場合、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 税理士に依頼する
- 確定申告ソフトやツールを活用する
- こまめに帳簿をつける癖をつける
それぞれ詳しく解説します。
税理士に依頼する
税務に関する手続きは複雑であるため、税理士に確定申告を依頼するクリエイターの方は多いです。税務の専門家がサポートしてくれるため、確定申告が正確かつ効率的に行えます。
他にも、控除や節税対策に関するアドバイスを受けることができ、節税効果が期待できます。また、時間と労力を節約でき、自分の仕事や創作活動に集中することも可能です。
ただし、税理士によって得意分野が異なるため、業種やニーズに合った税理士を見つけましょう。
確定申告ソフトやツールを活用する
確定申告ソフトやツールを活用することで、確定申告の手続きがスムーズかつ効率的に行えます。使いやすいソフトやツール例をまとめると以下の通りです。
- やよいの青色申告オンライン
- freee会計
- 国税庁が出す「確定申告等作成コーナー」
注意点として、選ぶソフトやツールによっては有料となる場合もあるため、予算や機能に合わせて選びましょう。また、ソフトやツールを使用する際は個人情報の取り扱いに注意し、セキュリティ対策を万全にすることが大切です。
こまめに帳簿をつける癖をつける
個人クリエイターにとって、こまめに帳簿をつける習慣を身につけることは重要です。収入と支出を常に把握することができ、経営状況の把握や節税対策がしやすくなります。
パソコンやスマホのアプリを活用して、収入や支出のデータ入力を簡単に行えるようにしましょう。収入源や経費の項目を明確にし、カテゴリ分けを行うことで手続きがスムーズになります。
確定申告(税申告)で気をつけることまとめ
確定申告を行う際には必要書類の準備、提出期限や控除の種類に注意しましょう。確定申告に向けた準備をしっかりとしておけば、焦ることなく手続きを済ませることが可能です。
ぜひ本記事を参考にして、クリエイター活動をより充実させたものにしていただけると幸いです。
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