クリエイターのための補助金を利用するといくらもらえる?条件や申請時の注意点

「補助金を利用したい」

「個人事業主でも補助金は利用できるの?」

と考えていませんか?

クリエイターとして売上を伸ばしたり業務効率化を図ったりしたいときに、補助金を利用したいと考えている人も多いでしょう。

ただ、いくらもらえるのか、従業員がいないクリエイターでも申請できるのか疑問を感じているのではないでしょうか?

そこでこの記事では以下の内容について詳しく解説します。

  • クリエイターが利用できる補助金
  • 申請時の注意点

この記事を読めば、どのような補助金に申請できるのか知ることができます。売上がまだ高くないけど積極的に売上を伸ばしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

クリエイターが利用できる補助金

補助金と聞くと、個人事業主のクリエイターは利用できないと考えていませんか?

実は、エンジニアやデザイナーなどのクリエイターでも利用できる補助金もあります。

  1. 小規模事業者持続化補助金
  2. ものづくり補助金
  3. IT導入補助金
  4. 都道府県や市町村などからの補助金

それぞれの補助金について詳しく見ていきましょう。

1.小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や生産性向上を目指した取組を行った際にかかる費用を一部補助する制度です。

商工会や商工会議所から求められる書類を提出することで、50万円〜最大250万円の補助金を受け取ることができます。

補助率補助上限額
通常枠3分の250万円
賃金引き上げ枠3分の2200万円
卒業枠3分の2200万円
後継者支援枠3分の2200万円
創業枠3分の2200万円
インボイス特例3分の2利用する枠に50万円を上乗せできる

このうち、6つの枠のうち、クリエイターが利用しやすいのは通常枠・創業枠・インボイス枠です。

インボイス枠については、他の枠と併用する形で申請します。

それぞれの枠の条件については以下の通りです。

条件
通常枠常勤の従業員が5人以下※
創業枠
  • 過去3か年の間に本人が特定創業支援等事業による支援を受けた
  • 過去3か年の間に開業している
インボイス特例
  • 2021年9月30日から2023年9月30日の間に一度でも免税事業者である
  • インボイス(適格請求書)の発行事業者に登録した

※クリエイター以外の場合は、要件が異なります。

2023年6月3日現在で発表されている回の申請書類の受付締切日は2023年9月7日となっています。

書類の準備には時間がかかるため、早めに申請しましょう。

2.ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、中小企業が経営革新のための設備投資に使える補助金のことです。

対象となる費用は、ソフトウェア開発、知的財産権の取得、新しいサービスの提供などです。

ものづくり補助金の条件は、5つあります。

  1. 中小企業者である
  2. 設備投資により革新的な製品やサービスの開発を行う
  3. 設備投資により事業者全体の付加価値額が年率平均3%以上増加する予定
  4. 給与支払総額を年率平均1.5%以上増加
  5. 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にしている

従業員を雇用している中小企業のみが対象と思われがちですが、公募要項の8ページには、「補助対象者として資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人であること。」と記載されています。

よってフリーランスでも補助対象者になります。

補助率は2分の1もしくは3分の2、補助上限額は750万円〜5,000万円です。

支援内容補助率および補助上限額
通常枠
  • 革新的な製品やサービスの開発
  • 生産プロセス、サービス提供方法の改善に必要な設備やシステム投資など
補助率は2分の1、小規模再生事業者は3分の2
補助上限額は750万円〜1,250万円
回復型賃上げ・雇用拡大枠
  • 業況が著しい事業者が対象
  • 賃上げや雇用拡大に取り組む目的のみ
  • 革新的な製品やサービスの開発
  • 生産プロセス、サービス提供方法の改善に必要な設備やシステム投資など
  • 補助率は3分の2
  • 補助上限額は750万円〜1,250万円
デジタル枠
  • DXに資する革新的な製品やサービスの開発
  • 生産プロセス、サービス提供方法の改善に必要な設備やシステム投資など
  • 補助率は3分の2
  • 補助上限額は750万円〜1,250万円
グリーン枠
  • 温室効果ガスの排出削減に資する取組
  • 革新的な製品やサービスの開発
  • 炭素生産性向上を伴う生産プロセス、サービス提供方法の改善に必要な設備やシステム投資など
  • 補助率は3分の2
  • 補助上限額は750万円〜1,250万円(エントリー)、1,000万円〜2,000万円(スタンダード)、2,000万円〜4,000万円(アドバンス)
グローバル市場開拓枠海外事業の拡大を目的とした設備投資
  • 補助率は2分の1、小規模再生事業者は3分の2
  • 補助上限額は3,000万円

経営革新の類型には以下の4つがあり、いずれかに対応する経費でないと採択されません。

  • 新商品の開発
  • 新たな生産方式の導入
  • 新役務(サービス)開発
  • 新たな提供方式の導入

なお、令和5年度は、15次公募まで行う予定で現在14次公募まで締め切られています。

申請期間2023年5月12日17時〜2023年7月28日17時
採択発表9月下旬
補助事業実施期間11月初旬〜最大10ヵ月間(補助事業の終了期限は採択発表日から12ヶ月後の日)

また、申請には、GビズIDプライムアカウントの登録が必要ですので、余裕を持って手続きを進めましょう。

3.IT導入補助金

IT導入補助金とは、ITツールの導入費用の一部を補助する制度です。

補助内容
通常枠自社の課題やニーズに合ったITツールの導入費用の一部を補助する
セキュリティ対策推進枠
  • サイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避する
  • サイバー攻撃被害により供給が制約されたり価格の高騰を引き起こすリスク、生産性の向上を阻害されるリスクを減らす
デジタル化基盤導入枠
(デジタル化基盤導入類型)
会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの費用を一部補助

対象となるのは、小規模事業者かつサービス業の場合は常勤の従業員数が5人以下の場合です。

補助対象となる経費は、以下の4つ。

  • ソフトウェア購入費
  • クラウド利用料
  • 導入関連費
  • ハードウェア購入費(デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)のみ)

各枠の対象となる経費・補助率・補助額は以下の通りです。

対象経費補助率補助額
通常枠
  • ソフトウェア購入費
  • クラウド利用料(最大2年分)
  • 導入関連費
2分の1以内
  • 5万円〜150万円未満(A類型)
  • 150万円〜450万円(B類型)
セキュリティ対策推進枠サービス利用料(最大2年分)2分の1以内5万円〜100万円
デジタル化基盤導入枠
  • ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)
  • 導入関連費
4分の3以内50万円以下
デジタル化基盤導入類型
  • ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)
  • 導入関連費
3分の2以内50万円超〜350万円

デジタル化基盤導入類型の場合、ハードウェア購入費用も補助対象となります。

PC・タブレット・スキャナー・複合機の購入費用が補助率2分の1以内、上限額10万円まで補助されます。

通常枠の場合は、以下のスケジュールで申請を行います。なお、他の枠の締め切り日については、IT導入補助金2023のサイトからご確認ください。

 3次締切分4次締切分
締切日2023年7月10日17時2023年7月31日17時
交付決定日2023年8月22日2023年9月12日
事業実施期間交付決定日〜2023年11月30日17時交付決定日〜2023年11月30日17時
事業実績報告期限2023年11月30日17時2023年11月30日17時

※通常枠の場合です。

4.都道府県や市町村などからの補助金

補助金を出している都道府県や市町村があります。

例えば、東京都荒川区の「魅力発信動画制作補助金」では、販路開拓や事業連携などを目的とするPR動画の制作を行った荒川区内の中小企業者に対して補助率2分の1(上限は10万円)まで補助金を受け取ることができます。

自身が住んでいる都道府県や市区町村で、クリエイターを支援する補助金がないか確認してみましょう。

また、期限が設けられている補助金もあるため、申請前に現在も実施しているか問い合わせることをおすすめします。

クリエイターが補助金を申請する際の注意点

クリエイターが補助金を受け取る際、注意点があります。

  1. 補助金の採択率は必ずしも高くない
  2. 書類の準備に時間がかかるので早めに申請する

順番に見ていきましょう。

1.補助金の採択率は必ずしも高くない

補助金の採択率は必ずしも高いわけではありません。

以下は、小規模事業者持続化補助金の第1回〜第11回までの採択率です。

  • 第1回:約91%
  • 第2回:約65%
  • 第3回:約52%
  • 第4回:約44%
  • 第5回:約54%
  • 第6回:約69%
  • 第7回:約70%
  • 第8回:約63%
  • 第9回:約64%
  • 第10回:約63%
  • 第11回:約59%

第1回こそ91%でしたが、以後は50〜60%前後で推移しています。

個人事業主だと通りにくい補助金もあるので注意が必要です。

2.書類の準備に時間がかかるので早めに申請する

補助金の申請をするためには、添付書類に不備がない状態で提出しなければなりません。

また、審査も厳しいため、採択されやすいような書き方にはコツが必要です。

よって、事前にどのような書き方をすれば採択されやすいのか調べておいたほうが良いでしょう。

まとめ

補助金は中小企業だけでなくフリーランスクリエイターも対象となる補助金もあります。補助金を受けることで「売上を伸ばす」「業務効率化」といった施策にかかる負担を減らしやすくなります。

ただし、申請をしても採択されない可能性もあるので注意が必要です。どのような書類の書き方をすれば、申請に通るのか、事前に調べておくことをおすすめします。

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