No_004|活動を続けるためのお金の集め方
概要
ズバリ!クリエイターが直面するお金
モノ・サービスが売れるようになるプロセスとは
クリエイター活動を続けるためのお金の集め方5選
お金に強いクリエイターは最強だと思う
クリエイターというと、創作活動に関わる人の全般を差し、音楽や映像に関わる人、ライター、イラストや絵画、Web関係の作品を生み出す人など多岐にわたる。
この世にまだないものを自分の能力を使い生み出し、その対価を顧客から頂くことで生計を立てることが多いが、創作活動だけで十分な収入が得られる人は限られている。
いい作品を作っていればいつかは日の目をみるだろうという思いは夢物語でしかない。
自分の作品が評価されるまでは、活動を続けるためにお金を集め続けなければならない。今回は、クリエイターとお金に関して論じ、具体的に有効なお金の集め方についてまとめる。
ズバリ!クリエイターが直面するお金
クリエイターが活動を継続するには、生活費や創作活動に必要な原価や備品代などのお金が必要だ。どこかの会社に属したクリエイターであれば、給料という形で賄えるだろうが、フリーランスとなると自分で稼がなければならない。
自由や憧れの気持ちでクリエイターデビューをし、フリーランスとして活動を始めたものの作品が売れずに貯金を切り崩して…なんて話は珍しいわけではない。
下積み期間のクリエイターが、他の仕事を掛け持ちながら活動するのは、そのような状況があるからなのかもしれない。
ただ、ここで卑屈になる必要はない。有名になったクリエイターもかつては下積み期間があり、別の仕事で収入を得ていた人も少なくない。自らの作品を世に出すために、胸を張って別の仕事で稼げばいいと思う。
モノ・サービスが売れるようになるプロセスとは
駆け出しのクリエイターと話をしていて時折感じるのが、いい物を作ることへの情熱は熱いが、どうすれば売れるようになるのかプロセスに対して目を背ける人が一定数いるということ。
どこかのお店に作品を置かせてもらったり、ネットショップを開いたりすればすぐに売れるだろうと安易に考えているようにも見える。
モノ・サービスが売れるようになるプロセスについて論じたものがさまざまある。例えば、消費者の心理のプロセスを示した「AIDMA」によると、消費者は、
モノ・サービスを知り(Attention)
興味・関心をもち(Interest)
欲しいと思うようになって(Desire)
記憶し(Memory)
購入(Action)
という流れを経る。いきなり消費者の購入に意識を向けない方がよいわけだ。
いきなりモノ・サービスが売れることは珍しい。まずは多くの人に知ってもらい、欲しいと思ってもらう努力が必要だ。その間は、創作活動がお金になることは少ない。よって別の手段でお金を集める方法を持っておくことは、自分の活動を続けるうえで重要なのだ。
クリエイター活動を続けるためのお金の集め方5選
ここまで、クリエイターが直面するお金についてまとめてきたが、ここからは創作活動を続けるうえで利用しやすいお金の集め方について解説する。
副業・アルバイト
副業やアルバイトは職種を選ばなければ多くの選択肢がある。
フリーランスのクリエイターとなると、ある程度時間の融通が利くであろうから、深夜のコンビニなど人が集まりにくく時給が高い条件を狙うことも難しくない。
また、自分の創作活動に関係のある副業やアルバイトをすれば、お金だけでなく実績や経験を積み上げることが可能だ。例えば、イラスト制作のアルバイトを行えば、使用するツールの習熟度をあげられ、作った作品を宣伝用に使えるかもしれない。
フリーランスとして一から仕事を獲得するよりも、クライアントに示せるものがあるのは有利だ。
弟子入り
クリエイターの先輩に弟子入りするのもいいだろう。
例えば、漫画家の世界ではアシスタントとして既に活躍している漫画家の元で働き、漫画家としてのいろはを学んでいるケースも少なくない。具体的には、週刊ヤングジャンプで連載中の『キングダム』の作者・原泰久氏は『SLAM DUNK』や『バガボンド』で有名な井上雄彦先生の元でアシスタントをしていた話がある。
『キングダム』連載開始時は人気が低迷していたが、井上先生のアドバイスを受けて人気が急上昇したこともある。
弟子入りにはお金だけでなく、仕事のアドバイスをしてくれる師匠と出会えるメリットがある。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、自分の活動や目標を語り発信して、その想いに共感する人を集め資金を集める仕組みだ。2011年ごろから日本でもサービスが一般的になり、さまざまな事業体がクラウドファンディングのサービスを提供している。
クリエイターがクラウドファンディングを利用するパターンとしては、自らの作品を世に出すための資金調達として訴えかけ、資金提供者に対しては制作物などモノやサービスをお返しする形式が多い。
ただし、自分の活動や目標を発信する必要があるため、知り合いが少なかったり、発信する内容が弱かったりすると十分な資金調達に繋がりにくい。
クラウドファンディングを利用する際には、事前に、自身の影響力を高めておく必要があるだろう。
グッズ販売
フランス・パリの凱旋門を布で包むというアートを実現したクリストとジャンヌ=クロードという二人の現代美術作家は、この途方もないアートを完成させるために70点ほどの絵画を制作したそうだ。
参考:日常化したアートを非日常化するクリエイターに夢見る人たち
世界的なクリエイターでも、このように別の作品を販売し、本作品の費用を捻出しているケースがある。
この手法をアレンジするならば、自分自身がメインだと考える創作物を生み出すために、手軽なグッズを制作して販売すればよい。
さまざまなゆるキャラが、グッズとなり販売されて売上を上げてる図式といえば想像しやすいだろう。
クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、企業などの業務を発注する側がインターネットを利用して、不特定多数に業務を発注する形態だ。
業務内容としては、アンケートなどの誰でも受けれるような難易度の低いものから、イラスト制作、コンサルティングなど専門的な内容まで多岐にわたる。隙間時間を利用して収入が得られるため、日本でもクラウドソーシングの利用者は増加傾向にある。
自身の活動に沿った内容の仕事もあるため、経験値を積みながら報酬を得るという手段として利用しているクリエイターも多いだろう。
お金に強いクリエイターは最強だと思う
クリエイターとは、ゼロから何かを創作する点で、非常に強みのある仕事だ。
能力さえあれば、いくらでも活躍することができる。そんなクリエイターがお金に強くなり、活動するうえで安定した収入を得られるようになれば、まさに最強ともいえる存在になるのではと私は思う。
世の中には、お金に弱いクリエイターがまだまだ多く、良い作品を作っているのに、お金に困り廃業するケースだって存在する。それはもったいない。
これを読んでくれたあなたには、ただのクリエイターではなく最強のクリエイターを目指して頂きたい。