「副業をしている会社員の場合、いくら稼いだら確定申告しなければならないの?」
「確定申告のルールや流れがわからない」
と考えていませんか?
会社員として働きながらエンジニアやデザイナーなどクリエイターの仕事をして収入を得た場合、確定申告が必要になる可能性があります。
確定申告をしなかった場合、重い税金を課されることもあるので、いくら稼いだら申告が必要なのか把握しておく必要があります。
そこでこの記事では以下の内容について詳しく解説します。
- ダブルワークで働いている場合に確定申告が必要になる基準
- ダブルワークで働くクリエイターが確定申告をする流れ
この記事を読めば、ダブルワークで働いている人の確定申告のルールを把握できるようになるでしょう。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
目次
- 1 ダブルワークをしている会社員で確定申告が必要になる基準
- 2 1.給与所得以外に年間20万円超の所得があるケース
- 3 2.2箇所から給料を受け取っているケース
- 4 ダブルワークをしている会社員の確定申告のルール
- 5 確定申告の流れ
- 6 1.収入と経費の記帳をする
- 7 2.必要な書類を準備する
- 8 3.確定申告書への入力をする
- 9 4.確定申告書や源泉徴収票などを税務署へ提出する
- 10 5.所得税を納税する
- 11 ダブルワークで働く会社員が確定申告する際の注意点
- 12 1.所得が20万円以下でも住民税の納税は必要
- 13 2.住民税の納付方法は普通徴収を選択する
- 14 3.雑所得でも領収書などの保存や収支内訳書が必要になるケースがある
- 15 まとめ
ダブルワークをしている会社員で確定申告が必要になる基準
ダブルワークをしている会社員として働きながら、エンジニア、デザイナー、ライターなどの副業もしている場合、給与所得とは別に副業で収入を得ていることになります。
そのため、一定の所得を稼いだら確定申告をしなければなりません。
ただ、確定申告が必要になる基準についてわからない人も多いのではないでしょうか?
ダブルワークをしている会社員の場合は、以下に該当すると確定申告をする必要があります。
- 給料所得以外に年間20万円超の所得があるケース
- 2箇所から給料を受け取っていて、年末調整をどちらか1社で行うケース
それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
1.給与所得以外に年間20万円超の所得があるケース
1つ目は、給与所得以外に年間20万円超の所得があるケースです。会社員として働きながら副業をしている人のほとんどは、このケースに該当します。
なお、所得とは売上から経費を引いた金額を指すので、売上から経費を引いた結果20万円以下になる場合は、確定申告をしなくても問題ありません。
経費とは、事業をするのにかかった費用のことです。
一方で、売上が100万円、経費が70万円の場合の所得は30万円となるので、確定申告をしなくてはなりません。
2.2箇所から給料を受け取っているケース
2つ目は、2箇所から給料を受け取っている場合です。
2つの会社で働いている場合かつ年末調整をしていない会社からの給与所得が年間20万円超になる場合は、確定申告をする必要があります。
ダブルワークをしている会社員の確定申告のルール
ダブルワークをしている会社員の確定申告のルールを解説します。確定申告は、1月1日から12月31日までの所得に対して課税されます。
また、確定申告の可能な期間は、基本的に2月16日から3月15日までです。
期限を過ぎてしまった場合、無申告加算税や重加算税を課されて余分に税金を支払わなければならないので注意が必要です。
確定申告の流れ
はじめて確定申告をする人もいるでしょう。
そこで確定申告の流れについて解説します。
収入と経費の記帳をする
必要な書類を準備する
確定申告書への入力をする
確定申告書を税務署へ提出する
所得税を納税する
それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。
1.収入と経費の記帳をする
所得税を計算するには、クリエイターの仕事で1年間に得た収入や経費を帳簿につける必要があります。
- クリエイターの業務に関連のある費用のみが経費として認められます。
- パソコンの購入費用
- ITツールの導入費用
- レンタルオフィスのレンタル料
- 専門書やメルマガの購入費用
また、経費の証明にするために、レシートや領収書は保管しておきましょう。
2.必要な書類を準備する
次に確定申告に必要な書類を準備します。
- 確定申告書
- 本人確認書類
- 収支内訳書
- 経費の領収書
- 各種控除証明書
確定申告をする際には必ずしも税務署に行く必要はなく、国税庁の確定申告書作成コーナーから入力を進めることも可能です。
なお、確定申告書にはAとBの2種類がありますが、副業で得ている所得によって使う用紙が変わります。
- 副業で得ている所得
- 用意すべき確定申告書
- 給与所得や雑所得
- 確定申告書A
- 事業所得
- 確定申告書B
年末調整で控除を受けていない場合は、各種控除証明書も用意しておきましょう。
なお、e-Tax(インターネットを通じて納税できるシステム)を利用して確定申告をする場合は、電子証明書付きのマイナンバーカードやICカードリーダライタも用意する必要があります。
3.確定申告書への入力をする
次に確定申告書への入力をします。クリエイターの業務を副業としている場合、基本的に雑所得に該当します。
確定申告書Aに給与所得と雑所得を入力しましょう。給与所得は毎年12月から翌年1月頃までに会社からもらえる源泉徴収票に記載されている数字を入力します。
雑所得には売上から経費を引いた金額を入力します。他に控除がある場合は、忘れずに入力しておきましょう。
4.確定申告書や源泉徴収票などを税務署へ提出する
作成が完了したら、税務署に以下の書類を提出します。
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- マイナンバーカードまたは通知カードのコピー
- 身分証明書のコピー
提出する際は税務署の窓口に直接行くと混雑しているので時間がかかります。郵送かe-Taxでの送信を使いましょう。
5.所得税を納税する
最後に以下のいずれかの方法で、3月15日までに所得税を納税します。
- 銀行口座からの振替納税
- e-Taxから納付
- クレジットカードから納付
- コンビニエンスストアで納付
- 金融機関や税務署の窓口で現金納付
- スマホアプリで納付
確定申告書の提出後に税務署から納付書や納税通知書が送られてくるわけではないため、忘れないように注意しましょう。
ダブルワークで働く会社員が確定申告する際の注意点
ダブルワークで働く会社員の場合、確定申告する際に以下の点に注意しましょう。
- 所得が20万円以下でも住民税の納税は必要
- 住民税の納付方法は普通徴収を選択する
- 雑所得でも領収書などの保存や収支内訳書が必要になるケースがある
それぞれの注意点について順番に解説します。
1.所得が20万円以下でも住民税の納税は必要
会社員の場合、副業での年間所得が20万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。
ただし、納税しなくても良いのは所得税のみです。1円でも所得が発生した場合、住民税については申告する必要があります。
3月15日までに市区町村の役所で住民税を申告しましょう。
2.住民税の納付方法は普通徴収を選択する
確定申告をする際に住民税の納付方法を選べる欄があります。会社に副業がばれたくない場合は、納税者本人が自分で納付する普通徴収を選んでください。
普通徴収を選んでおけば、副業分の住民税の通知書が自宅に送られてきます。
一方、特別徴収を選んだ場合は会社に住民税の通知書が送られるので、副業の収入は会社に通知されてしまいます。
3.雑所得でも領収書などの保存や収支内訳書が必要になるケースがある
2021年分の確定申告までは、雑所得について記帳や帳簿などの保存義務は課されていませんでした。
しかし、2022年分の確定申告(2023年3月15日が期限)からは、前々年分の雑所得に応じて、領収書などの保存や収支内訳書が必要となります。
前々年分の雑所得 | 領収書や請求書などの保存 | 収支内訳書の添付 |
300万円以下 | 不要 | 不要 |
300万円超〜1,000万円以下 | 5年間保存 | 不要 |
1,000万円超 | 5年間保存 | 添付が必要 |
確定申告が終わった後も領収書や請求書は紛失しないように保管しておきましょう。
まとめ
ダブルワークでクリエイターとして働いている場合、年間所得が20万円を超えると、確定申告をしなければなりません。確定申告をしなかった場合、ペナルティーを課されることもあるので、自分で確定申告が必要か判断をし、必要な方は、忘れないように確定申告をしてください。
売上が100万円、経費が85万円の場合の所得は15万円となります。この場合は所得税の申告をしなくても済みます。